怒り、悲しみ、不安、自己否定、挫折感、空虚感、自責、孤独、落ち込み。
そのすべてを、言葉にできず、心の奥に閉じ込めてしまう。
摂食障害は、“食べること”の問題ではありません。
それは、生きるために、心が選んだ防衛の形。
「もう無理」と壊れてしまう前に、
体を通して「今、苦しいんだよ」と伝えようとしているサインなのです。
私もかつて、娘が食べられなくなったとき、
「どうして?」「なんで食べないの?」と何度も問い続けていました。
でも、あの子は“食べたくない”のではなく、
“食べることが怖い”という、私には見えない恐怖の中にいたのだと、
ずっと後になって気づきました。
食べない、拒む、怒る、泣く。
それは決して「生きることをあきらめた」のではなく、
「どう生きたらいいかわからない」からこその精一杯の抵抗。
そう思うと、私の中で“見る視点”が変わっていきました。
子どもの行動を正そうとするのではなく、
「この子は、心を守るために、今この形で頑張っているんだ」と見つめてみる。
それだけで、親の心が少しずつ落ち着いていくんです。
焦りや恐怖の中で固くなっていた心に、
ふっと“ゆるみ”が生まれる瞬間があります。
親が落ち着くと、子どもも安心します。
「お母さん、もう怒ってない?」
「お母さん、今日は静かだな」
そんな小さな変化を感じ取る力を、子どもたちは持っています。
だからこそ、まずはお母さん自身の心を守ってください。
あなたが安心している姿が、
お子さんにとっていちばんの「安全基地」になります。
そしてどうか覚えていてください。
あなたは、何も間違っていません。
子どもを愛しているからこそ、苦しいだけなんです。
今すぐ結果を出そうとしなくて大丈夫。
焦らず、比べず、ただ「今ここ」を見つめていきましょう。
お子さんの心の中には、
ちゃんと“生きたい”という力が眠っています。
それが少しずつ動き出す日を信じて、
今日もあなたの優しさを、そのまま届けてあげてくださいね
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